提唱キャラディネート!グレイス塚越氏

2015/09/21 06:28 更新


《トップに聞く》グレイス社長 塚越克美氏

 キャラクターのライセンス衣料・雑貨を製造販売するグレイス(東京)は、ファッション業界の発展を目的に、“キャラディネート(キャラクターとコーディネートを掛けた造語)”を提唱している。今秋から発信を強化し、ファッションの高揚感を訴求していく。(友森克樹)

■キャラに扮するコーデで服の面白み増す

 キャラディネートを新たなファッションカルチャーとして広めたい。服の同質化が進み、昔に比べてファッションのドキドキ、ワクワク感が薄れてきたと感じています。「キャラクター×ファッション」をキーワードに、業界が盛り上がるきっかけになればと思っています。お気に入りのキャラクターに扮するコーディネートなど、自分なりのアクセントを加えてウエアリングを楽しむ文化が根付けば、ファッションの面白みは増すはずです。

 今秋からキャラディネート発信を強めます。9月上旬から、協業商品を販売するヤングレディス店と期間限定でキャラディネートコンテストを行います。協業先の販売員の方々にキャラディネートをしてもらい、消費者にどの服装が好みかを投票してもらいます。産学協同のキャラディネートプロジェクトも進行中です。

 ファッション業界はあるブランドだけが一人勝ちしていてもつまらないと思います。いろんなブランドが競い合ってこそ面白くなるもので、キャラクターも同じです。ブランド、キャラともに切磋琢磨(せっさたくま)し、取引先と一緒に盛り上げていきたい。その手段の一つとしてキャラディネートを活用してもらえればと思っています。

■迅速さ、独自性支える体制整え

 現在、契約中のキャラクタータイトルは82、キャラクター数は100を優に超えます。膨大なコンテンツがありますので、企画には特に力を入れています。企画を支えているのは、ライセンス&マーケティングディビジョンという部署です。同部はライセンサーと当社の営業、デザイナーをつなぐ役割を担っています。

 キャラクターごとにデザインの自由度は異なるため、キャラクター単位で同部の社員を配置しています。彼らはライセンサーのルールに精通しているため、「あのキャラクターでこのデザインは使用できない」などの認識を社内で共有できます。企画から取引先への提案までが迅速に行えるだけでなく、担当キャラクター全商品のデザインを一人に集約するので、デザインの重複が起きず、売れ筋の把握もできます。当社企画ならではのオリジナル性が出せるのが強みです。

 映画公開などキャラクターブームも追い風に、前期(15年2月期)売り上げは88億円(前年同期比11・4%増)で、4期連続増収増益と好調に推移しています。今期売り上げは100億円に届く見通しです。

 7月に新設した店舗VMD提案型ショールーム「L・W・C」(ライフ・ウィズ・キャラディネート)は、キャラディネートの発信拠点と位置づけ、今後は洋服に限らず雑貨メーカーと商品の共同開発などを行っていきたいと考えています。



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