大手百貨店の8月売上高(既存店ベース、速報値)は5社中、4社が前年同月実績を上回った。3~4割減が続いた免税売上高は、前年並みの水準まで改善した。ラグジュアリーブランドなど高額品が振るわなかったが、化粧品など消耗品が伸びた。国内客売り上げは引き続き堅調だった。
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三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店が外商イベントの会期ずれの影響で、前年を下回った。伊勢丹新宿本店は7.9%減だったが、三越日本橋本店が9.2%増、銀座店が8.2%増となった。免税売上高は5.2%減で、減少幅が縮まった。国内客売り上げは前年並みだった。
高島屋は大阪店が10.9%増、玉川店が10.3%増、日本橋店が9.4%増、横浜店が8.7%増となった。国内客売り上げが9.3%増だった。免税売り上げは9.8%減で、ラグジュアリーブランドなど高額品が2ケタ減だったことが響いた。
大丸松坂屋百貨店は、大丸梅田店が27.4%増、心斎橋店が10.9%増、神戸店が8.3%増だった。免税売り上げは6.7%増。客単価が減少したが、客数増で補った。国内客売り上げは6.3%増だった。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が3.1%増で、免税売上高が前年並みの水準まで回復した。阪神梅田本店は18.3%増で、改装したファッションとライフスタイルの商品領域が約3割増となった。
近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が2.8%増だった。大阪・関西万博オフィシャルストアはあべのハルカス店、万博会場内店ともに目標を大幅に上回り全社売上高を下支えした。