今春、日本に進出した米国のセレクトショップ「フレッド・シーガル」を日本で運営するMFSJ(桝田茂社長)は、新規出店と既存店と商品のリニューアルを進める。来年3月、横浜に最大規模の旗艦店をオープンし、今後は小型店出店も検討する。
1号店の東京・代官山店はコスメフロアを新規に開設し、日本企画で米カリフォルニア生産を打ち出すなど「フレッド・シーガルならではの物語性を突き詰めた店と商品構成に進化させ、成長を目指す」方針だ。
フレッド・シーガルは61年に米ロサンゼルスにオープンしたセレクトショップ。MFSJが日本でのマスターライセンシーとなり、米国外では初となる店を4月に代官山にオープン。本国同様に高級ブランドと古着までをミックスした品揃えと、日本では「マート」と名付ける飲食業態も開発。
米ポートランドのドーナツ店「カムデンズ・ブルー☆ドーナツ」と提携したオリジナルのドーナツを主力に、コーヒーなどを揃えた。マートは行列ができ、ドーナツは毎日完売する状況で、来店客を増やし、今春夏のメンズ・レディスの物販の売り上げは「計画通りに推移した」という。
来春には、約1600平方㍍の新旗艦店を横浜に開く。約1000平方㍍の代官山店よりも大きい規模にこだわった。米国の店に通じる、海に面した立地の2フロア構成で「代官山店以上にフレッド・シーガルとは何かを体感してもらえる空間。日本での試金石」と位置付ける。横浜店を皮切りに、全国主要都市で新規出店を目指す。マートだけの小型店の出店も検討している。
代官山店は8月にレディス売り場の2階を新規に開き、コスメサロンを導入。今後はテナント契約や期間限定、新ブランドの売り場など、新しい店作りを模索する。アパレルも他店にない独自化を進める。「インポートというだけでなく、その国のどこで、誰が作っているかまで掘り下げたような商品」を目指す。今秋には、本店のあるカリフォルニア生産にこだわった日本企画のオリジナルを開発。日本人デザイナーブランドも取り扱う。米国のフレッド・シーガルでの販売を含め、逆輸出も行う。