はるやま商事、5年ぶりに大量出店

2014/08/07 08:26 更新


 紳士服専門店のはるやま商事(岡山市)は今期(15年3月期)、46店の大量出店を計画している。前期の出店は9だっただけに、これだけの大量出店は5年ぶりとなる。前期は3期連続増収・5期連続増益となり、「負の遺産の整理をほぼ終え、将来に向けた種まき」(治山正史社長)として投資戦略を拡大する。

 新規出店の半数強はSC内となる見込みで、従来の郊外型や2プライス、Lサイズなど多様な業態で販売チャンネルの確立を目指す。今期業績は投資拡大により、売上高577億円(前期比7.9%増)、経常利益35億円(2.2%減)の増収減益となる予想だ。

今年4月に出店した「はるやま草津店」(滋賀県草津市)ではカフェコーナーも設けた
今年4月に出店した「はるやま草津店」(滋賀県草津市)ではカフェコーナーも設けた

 同社は09年3月期に44出店・44退店を実施したが、今期はそれ以来の大量出店となる。今期の店舗投資は前期比倍増の60億円を計画。近年はフリーキャッシュフローの中で賄い、既存店の競争力向上に注力してきたが、「改めて前に向いて攻めに転じる」構え。

 新規出店はSC向けの2プライスショップ「PSFA」(パーフェクトスーツファクトリー)が25~26店を占める見込み。

 SCからの出店要請が増えており、郊外型に比べて低コストで出店できることから店舗数を拡大する。PSFAに加えて、さらに幅広い年代を対象にファミリー対応を強めた「パーフェクトスーツ・ジョイ」や新業態のコンセプトショップ「パーフェクトシャツ・ブルックリン」「ハルスーツ・エクスプレス」などの出店も広げる。

 郊外型のはるやま・マスカット業態は既存店の建て替えを含めて、約10店を計画している。出店地域は全国に及ぶが、特に店舗の比較的少ない首都圏を重点とする。

 既存店の活性化にも約20億円を投じ、70店ほどの改装などを行う。既存店ではファミリータイプを強化しており、メンズだけでなく、レディス商品やキッズ関連も取り入れ、楽しい売り場作りを進める。大きいサイズの専門店「フォーエル」は居抜き物件を中心に低コストによる出店を図る。

 現状、レディス商品比率は15%ほどだが、年々上昇しており、当面は2~3年で25%程度にまで高める方針だ。従来のリクルートやフレッシャーズ、フォーマルだけでなく、今後はOLキャリア向けのビジネス寄り商品も充実していく。

 このほか、10月からは新しいドレスカジュアルを提案する「トランスコンチネンツ」で東京・銀座を皮切りに今期は京都、大阪など6店を予定している。また、民事再生法を申請したテットオム(東京、加藤和孝代表)についても「以前からブランド開発で協業しており、企業姿勢にも共感している」ことから、スポンサー企業として支援表明している。

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