《平成ストリートスナップ》あっという間にバギーパンツ台頭 売れるとなったら早い者勝ち(2001年6月18日付)

2026/01/23 06:00 更新NEW!


 90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。

※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。

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あっという間にバギーパンツ台頭

2001年6月18日付


 腰周りはぴったりすっきり、裾に向かって大きく広がるバギーパンツやワイドパンツが、ローライズパンツから主役の座を奪い取りそうだ。売れに売れたスーパーローライズのタイトシルエットパンツ。手に入るまで600人待ちというブランドが登場したり、オリジナルジーンズを売りに月商1億円のカジュアルショップが出現したりした。ストリートもローライズ一色で大騒ぎだったのだが、あっと言う間に様子が一変している。秋立ち上がり本命ボトムがすでにマス化の方向とあって、秋本番の品揃えに影響が出るという声も上がっている。

 比率は細身ローライズがまだ多いものの、原宿では目に見えてワイドやバギーが増え、勢いを感じさせる。スタイリングも変化し、ボーイズ基本にサンダルやミュール、フリルなどちょっと女らしいディテールを加えるウェアリングから、全体にコンフォートな雰囲気になってきている。足元はスポーツブランドのスニーカーだ。

 ワイドやバギーが売れているのは、SPA(製造小売業)型のヤングカジュアルショップ。ジーンズメーカーやアパレルブランドは「秋立ち上がりから売り出す」と仕込んでいるところで、店頭には間に合っていない。ラフォーレ原宿のショップ、イニシアル・ワントゥエルヴは1カ月ほど前からバギーパンツが売れている。センターシームのデニムのクロップトが売れ筋で、落ち感の良いコットンポリエステルの平織りもいい。レイカズンもクロップトのバギーが人気を集めている。これからダンガリーのフルレングスなどを出す予定だ。

 渋谷の人気ショップ、ローズバットでは、バギーやワイドと言えないまでもストレッチではない、すとんと太めのシルエットが売れ筋の中心になっている。バギーは秋物から売り出す。

 今いっせいにバギーパンツを目玉商品として売っているのは、渋谷109のショップ。売れるとなったら早い者勝ち、というお得意の手法だ。ほとんどがデニムのセンターシーム、フルレングスで、「オリジナルが間に合わないから、3日前に急きょ仕入れた」というショップもある。ゴールデンウィーク前から仕掛けていたエゴイストでは、バギーパンツがアイテム別売れ筋ナンバーワン。夏のセールでは除外品とし、晩夏物で別バージョンを売り出す。

 ただ、秋立ち上がりにバギーやワイドを仕掛けているところにとっては、あまりありがたくない話。いち早く売ってしまったイニシアル・ワントゥエルヴでは、「マスになりそうなので、秋はサラッとしかやりません。別の形を考えないと」と悩んでいる。

《記者メモ》

 売れ筋が本当に目まぐるしく変化していました。いま見ると、これがバギーなの? ぐらいの太さですが。 

(赤間りか)



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