アパレルメーカーのヒロタ(岐阜市)の15年6月期決算は、大手販売先との取引解消などから売上高は前期比8.5%減の221億円となったが、ロスの削減や貿易にかかわる経費の抑制、ASEAN(東南アジア諸国連合)生産の拡大などで、営業利益は2.4%増の1億500万円、経常利益は75.5%増の1億6800万円となった。前期は特別損失を3800万円計上したが、当期は特損の計上はなく、純利益は5.1倍の1億2000万円となった。
事業部門別売上高はレディース25.1%減、ファニー16.8%減、メンズ108.5%増、リテール5.2%増。リテール部門は昨年11月にノエラを買収したことなどから50億円を突破し、期末店舗数はトランテアンソンドゥモード29(前期末28)、グラスライン24(24)、ザ・ヴァージニア9(6)、ノエラ11となった。
今期の業績目標は、売上高246億円、経常利益5億円。同社の柱である卸部門の企画力を高め、シェアを拡大する。特にマーケットの大きい婦人服を強化する。7月1日付で組織を改編し、きめ細かな組織単位で企画から管理まで行う体制に再編した。
リテール部門では、まだ店舗数の少ないノエラやザ・ヴァージニアは出店の余地があるとして好立地への出店を進めるほか、ネット販売やTV通販も強める。
縫製や検品などの海外子会社はカンボジアが加わり6社となり合計売上高は56億円となった。原則的にヒロタとの取引はなく、日系を中心とした外部の販売先を増やしてきた。今後も自立した運営で、業績拡大を目指す。