同性愛者らのいわゆる性的少数者への差別反対運動を象徴するレインボーカラー。そのレインボーカラーをサッカーユニフォームに採用したのがデンマークのブランド「ヒュンメル」。同ブランドがサプライヤー契約を結んでいるドイツ・ブンデスリーガ2部、FCザンクトパウリとスペインのリーガ・エスパニョーラ3部のクルブ・デポルティーボ・グアダラハラの両チームが15~16年シーズンのユニフォームでレインボーカラーを採用した。
FCザンクトパウリはアウェーの白いユニフォームの袖口にレインボーカラーを施し、後ろ襟の内側にあるチームのシンボルマーク、ドクロもレインボーカラーだ。グアダラハラの場合はクラシックな紫色をベースにしたゲームシャツの中央に布帛製のレインボーテープを配している。ともにクラブと選手、ヒュンメルが「サッカーにおける同性愛差別への戦いを挑み、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーを意味するLGBTコミュニティーをサポートする」と宣言した形。
グアダラハラはレプリカユニフォームの売り上げの5%をクラブが保有するNGO(非政府組織)を通じて同性愛差別反対の取り組みに寄付する。FCザンクトパウリはハンブルクを拠点に、ドクロマークのフラッグでドイツ全土に熱狂的なファンを持っている。15~16年シーズンから日本人FWの宮市亮選手が所属することでも知られる。
ヒュンメルは「スポーツを通して世界を変える」をブランドのミッションに掲げ、シエラレオネのサッカー代表チームやアフガニスタン史上初の女子サッカー代表チームなどを支援してきた。日本ではスポーツ卸大手のエスエスケイが一昨年、国内の商標権を取得。デンマーク本社と歩調を合わせたグローバルマーケティングに取り組んでいる。