茨城県南部は東京への通勤圏内のため、首都圏への消費流出がある一方、有力個店であれば近隣県からの集客も期待できる。メンズの個店はコロナ禍初期には地元の常連客に支えられてきた。コロナが沈静化して以降は他県からの自動車での来店が復活するとともに、新規客が増え売り上げを伸ばしている。
■人口増えるつくば市
主な都市の人口は、つくば市が約25万6000人、土浦市が約14万2000人、龍ヶ崎市が約7万5000人。県央の水戸市でも26万8000人と、多くが20万人以下の都市だ。ファッションの商業集積地もほとんどなく、個店が点在している状況。ただ、地方都市のほとんどが人口減少傾向にあるなか、つくば市の人口増加率は16年以降1.5%前後と堅調に推移。20~22年の増加率は全国でトップ10に入り、23年には1位になった。ファッション消費でも大型商業施設のイーアスつくばは盛況を維持している。
ブームが追い風
土浦市に根付いて30年近いアメリカンカジュアルのセレクトショップ「デルボマーズ」(運営ステュードベーカーインターナショナル)は、新規客の獲得に成功し想定以上の売り上げを維持している。コロナ下には顧客が東京での買い物を回避し地元回帰の流れが強まったが、コロナが落ち着いてからは千葉など他県から若い世代の来店が増えたことが大きい。そこに90年代以来のアメカジブームが追い風になった。
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