服飾副資材メーカーのアイリスは、低コスト・高品質の日本製のボタン「ジャポムボタン」(商標登録出願中)を販売する。大型の金型を開発して1度の成型数を増やし、生産効率を上げた。「日本製品でグローバルに戦えるボタン」として、国内外の需要開拓に挑む。
ジャポムボタンは企画段階からグローバル市場に通用するスペックとコストを狙って開発した。対象はワーキングウエアや各種ユニフォーム、スポーツウエアなど大きなロットで生産されるアイテム。ファッション用途が主力の同社にとって、新規分野を開拓する契機となる。
素材は日本の原材料メーカーと開発した特殊樹脂。製品は割れにくく、耐熱・耐薬品性が高い。エコテックス認証も受けている。高温洗濯が必要なリネンサプライ向けに240度でも耐えるナイロンボタンも開発した。5サイズで、11.5㍉からストック販売を始め、13、15㍉は5月、18、20㍉は9月に発売する。
「価格は中国のボタンメーカーとほぼ同じ」。一般的に10~20個取りの金型が主流だが、ジャポムボタンは一度に288個取れる大型の金型を開発し、日産190万個の生産能力を持つことで低コストを実現した。
金型の精度が高く、従来の製法と異なり切削や磨きなどの工程が不要なことも低コストに結びついた。検品回数も減った。成型技術は社内連携のたまもの。自動車や携帯電話のパーツを製造するための高精度の金型開発、射出成形の技術を活用した。