三越伊勢丹は、日本の伝統や技術、クリエーションを再認識して新しい価値として提案する「ジャパンセンスィズ」の取り組みを一段と強めている。今年から同企画の起点となる2週間のキャンペーンを、これまでの春(3月)と秋(10月)に夏(6月)と冬(1月)を加えた年4回に増やす。
重点エリアを決めるだけでなく、カテゴリーごとに共通テーマを設定した自主開発商品を拡充し、行政との連携を深めることで全館での統一感を出して訴求力を高める。
16年は「瀬戸内」にフォーカスする。伊勢丹新宿本店は3月30日~4月12日に実施したキャンペーン第1弾で「瀬戸内国際芸術祭2016」と協業し、同芸術祭の参加アーティストらによるウインドーや装飾で盛り上げた。食品とリビングでは愛媛県と組み、道後温泉からブラッドオレンジまでの切り口で魅力を紹介した。
婦人服は、2~4階のプロモーションスペースをPBがジャック。共通テーマを設定し、物作りの背景や地域の空気感まで伝わることを意識した。これまではバイヤー各自で産地と取り組んだアイテムが各売り場に点在していたが、今回はほぼ全てのPBのバイヤーがツアー形式でいっせいに瀬戸内に入り、価値観を共有することで実現した。
こうした点から面へと広げる取り組みを、今後は全国の支店でも実施する考えだ。「最終的には国内外のお客が、実際に足を運びたくなる企画」に深化させるという。