デザイナーの高田賢三さんが、在仏50年を記念した盛大なパーティーを開催した。装苑賞を受賞後、船で世界を回りながら65年1月パリに到着した賢三さん。この間にお世話になった人、友人らを招き、感謝を捧げた。
会場はブローニュの森にある三ツ星レストラン「ル・プレ・カトラン」。ピアノのプレリュードで幕を開け、和太鼓のパフォーマンスで一気にお祭り気分。突然、ムーランルージュのダンサーたちが現れフレンチカンカンを踊り出し、会場はつかの間のキャバレーに。すると中庭からりりしい袴姿の賢三さんが、2頭の象を従えて登場=写真。50周年を祝うショコラ製エッフェル塔と、自らデザインした竹の形のケーキを前に、両手に抱えた大きな箱からチョウの群れを放った。「フランスは私にたくさんのチャンスと友情を与えてくれました。みなさんに心から感謝いたします。ありがとう」と幸せをかみしめるように話した。
島田順子さん、入江未男さん、ジャンシャルル・ド・カステルバジャックさんをはじめとするデザイナー、写真家、俳優、文化人が、「ブラボー」と偉業をたたえ祝福。この祝賀会は、仏『フィガロ』紙や有力メディアで大きく取り上げられた。ハプニングをミックスしたハッピーなケンゾーナイト。モード界の歴史に刻まれることだろう。(パリ=松井孝予通信員)