イスラエルのインクジェットプリンターメーカー、コーニットデジタルは、13年の日本事務所開設以降、国内で認知度が向上し、販売量を伸ばしている。Tシャツなどにプリントする主力のガーメントプリンターの14年の販売は、前年の倍と好調だ。来年にはテキスタイル用プリンターの販売も予定し、日本市場の開拓に力を入れる。
コーニットは03年設立のベンチャー。ガーメントプリンターは独自の顔料インキを使用し、1台で前処理からプリントまで行う機構で特許も保有する。生産性の高さで産業プリント分野で支持され、世界トップシェアを持つ。
香港法人が管轄する日本市場は、13年に事務所を開設し、販売体制も上野山機工(京都市)とアルテック(東京)の代理店2社に拡張した。
国内販売が伸びた理由として、殿岡敬久日本市場担当セールスマネージャーは①Tシャツプリントの国内回帰②ガーメントプリンターの認知向上③アナログからデジタルプリントへの転換に伴う市場拡大④自社の製品ラインアップの拡充、を挙げる。
特にTシャツプリントへの新規参入が目立っているといい、大手の広告・サイン業者や印刷業者などの購入も多い。アジア最大の市場である中国での拡販も、日本での成功がカギを握ると見て、引き続き日本での販売に力を入れる。
一方、コーニットが新たに開発したテキスタイル用の高速インクジェットプリンター「アレグロ」は、欧州で販売を始めた。ガーメントプリンター同様、顔料インキを使い、幅広い素材に対応するのが強み。今秋に中国、来年に日本でも販売を開始し、新市場を開拓する。