帽子の栗原、高価格帯商品に動き

2015/09/15 06:43 更新


 帽子製造卸・小売りの栗原は、今期(15年9月期)の売上高が前期比微増となる見通しだ。上期は好調に推移し、下期も7月の梅雨明け以降に盛り返した。上質志向の高まりで中価格帯から高価格帯商品の動きが良く、客単価も上昇傾向にある。

 小売り部門は基幹業態「オーバーライド」を中心にこの1年、好調に推移している。大阪や北海道、東京・原宿などではインバウンド(訪日外国人)需要の拡大も売り上げ増に貢献。オーバーライドから派生した新業態で今春夏から出店を始めた「シャポード・オー・パー・オーバーライド」も、順調に立ち上がった。オーバーライドを中心に国内外で買い付けた帽子を揃え、消費者の上質志向とマッチして「絶好調」(栗原亮社長)という。現在、ルクアイーレとJR名古屋高島屋に店舗がある。

 猛暑日が続いたことで天然素材のつば広帽が売れたほか、トレンドアイテムとしてパナマハットやスポーツテイストをミックスする「フィラ」「コンバース」のバケットハットやキャップの動きが良かった。ただ、総じて高価格帯は好調だった一方、低価格帯は苦戦。

 栗原社長は、「以前は、中価格帯から低価格帯に広がっていく流れがあったが、今はその逆。帽子をかぶる人の目が肥え、次はもっといい物を買おうと、中価格帯から高価格帯の商品に向かう人が増えている」とみる。

 今秋冬物では、8月からすでにフェルトのつば広帽が動き始めている。立ち上がりはトレンドのフェルト帽を戦略的に仕掛けてニット帽に移行し、10月からの本格的な秋冬物の販売につなげたい考えだ。

 円安などの外部環境の変化に対応して収益を確保するため、プロパー販売比率を高める。不良在庫を残さないように細かく発注し、売り減らし型から売り足し型に変えていく。展示会も従来より1カ月早め、取引先小売店が追加発注できる体制を整える。

今春から出店を始めた「シャポード・オー・パー・オーバーライド」は想定以上の売れ行き
今春から出店を始めた「シャポード・オー・パー・オーバーライド」は想定以上の売れ行き


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事