英リバティは創業150周年を機に「民芸プロジェクト」を進めている。漆器や陶器、和紙など日本の民芸品に小花柄が象徴的な「リバティプリント」をのせた商品を開発し、販売。リバティは日本と深い縁があり、その歴史に思いをはせる取り組みが始まった。
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同社設立当時の1800年代後半は、欧州でジャポニスムが流行していた。1843年に生まれた創業者のアーサー・ラセンビィ・リバティ氏も日本の美術や工芸品に影響を受けた一人だった。75年にロンドンに開いたリバティ百貨店の1号店では、日本をはじめ東洋で買い付けた装飾品やテキスタイルなどを売り、販売員に日本人も雇った。リバティ夫妻が船で旅をした際には日本に3カ月滞在し、そのうちの1カ月を京都で過ごしたという。
周年を迎えた今年、原点を見つめ直そうと、日本の民芸に焦点を当てた。リバティジャパンの松原崇社長は「日本の物作りや産地が欧州の特選ブランドに注目されている背景もある。民芸的なテクニックを加えた商品をリバティ百貨店で売りたいと考えたようだ」と話す。リバティジャパンは日本の工場との交渉や生産管理を支える。
第1弾は、丸仙(京都)の丹後ちりめんを用いた〝風呂敷コレクション〟(約45センチ角が税込み1万3200円、約90センチ角は3万9600円)だ。防縮加工までは丹後産地で、プリントと縫製、包装はレインボーワールド(秋田)に依頼した。
現在、大阪・関西万博英国パビリオン内で販売しており、今後、リバティ百貨店でも売る。