八木通商は「マッキントッシュ」のラグジュアリーブランド化に取り組む。15~16年秋冬シーズンから、コレクションもトータル化を進め、青山の旗艦店も新コンセプトにリニューアルした。ロンドン、東京のほか、世界の主要都市で旗艦店の出店も構想するほか、デザイナーとの協業も検討している。
マッキントッシュはゴム引きの防水機能を持ったコートからスタートした。英国の伝統的なアウターブランドとして広く認知されていたが、八木通商が日本での販売を担うようになってから、セレクトショップや百貨店に販路を広げ、ゴム引き以外でも高級感のあるアウターを開発。07年には八木通商が英国本社を子会社化し、ジャパン社も設立、高級化路線を推し進めている。
八木通商の常務でジャパン社の代表取締役常務COO(最高執行責任者)の八木洋三マーケティングディレクターは「現在はまだラグジュアリーと言える段階にはない」とする一方で、高級化の取り組みを「15~16年秋冬シーズンから本格化する」と話す。青山の旗艦店をそれまでの重厚でウッディな内装から、白、シルバー、黒を基調にしたものに改装したほか、販売するコレクションも拡充した。
主力のコートはこれまでゴム引き以外のバリエーションも増やしてきたが、15~16年秋冬からは「織りネームも下げ札も、ハトメやボタンなど副資材に至るまですべて高級化を目指し、変更した」。ボトムやジャケット、バッグ、シューズなど、トータル化のために新たに企画した商品の生産は「すべてハイブランドの生産を手掛けるメーカーと組んだ」。
今後は、マーケティングなど消費者とのコミュニケーションの面でも高級化に向けた取り組みを増やす。日本、英国以外でも「グローバルな大都市へ旗艦店を出していきたい」。高級で洗練された間口の広いブランドとしての認知を高める一方、有力なデザイナーと協業しファーストライン開発も具体化する考えだ。