コロナ禍で繊維・ファッション産業の低迷と事業環境の変化が加速、行政のさらなる産業支援策が求められている。こうしたなか、経済産業省は繊維・ファッション産業に関する二つの有識者会議を21年11月に立ち上げ、今春に報告書を発表した。両会議ともに日本の繊維・ファッション産業の厳しい現状と課題を踏まえながら、「成長に向けたチャンスは十分にある」(藤木俊光製造産業局長、畠山陽二郎商務・サービス審議官)と捉え、産業全体の「稼ぐ力」を創出し、新たな成長につなげるための条件を提起した。サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みやデジタル化の促進、海外を含めた新市場への挑戦とそれらを実現するための技術開発力の強化、異業種を含めた協業など新たなビジネスモデルの構築が柱だ。
(有井学)
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経産省が昨年11月に立ち上げたのは製造産業局生活製品課による「産業構造審議会製造産業分科会繊維産業小委員会」と、商務・サービスグループファッション政策室による「これからのファッションを考える研究会」(ファッション未来研究会)。加えて、生活製品課は昨年2月に、繊維・アパレル業界のサステイナビリティー促進を目的とした「繊維産業のサステナビリティに関する検討会」を立ち上げ、昨年7月に報告書を発表。昨年12月~今年3月には30年に向けた繊維技術開発のロードマップを策定する検討会を開いた。ロードマップは繊維産業小委員会の報告書「繊維ビジョン」と同時の5月18日に公表し、繊維ビジョンの中にロードマップの促進を政策として盛り込んだ。
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