楽天は7日から、「楽天市場」ファッションECで「試着・返品可能サービス」を強化する。靴とファッション販売サイト運営のロコンド(東京、田中裕輔社長)の楽天市場出店を皮切りに、試着・返品可能サービスをユーザーに訴求、ECの新たなファッション購買体験を促す。
「ファッションECの最大の課題が、試着できないこと。ロコンド出店を通じて、家で試着でき、返品も可能な新しい買い方・サービスを訴求したい」(松山奨楽天スタイライフ事業事業長兼楽天市場営業第四部部長)。
楽天市場では現在、各ブランド・ショップ単位で返品可能商品を1000品目ほど販売しているが、楽天が強制するわけではなく、各ショップ・ブランドが同サービス対象商品を決めている形。
ただ、海外ECサイトではすでに試着後に返品できるサービスが一般的となっており、楽天としても今後国内ファッションEC購買率や頻度を上げるには、試着・返品可能商品を拡充し、サイズで悩み購買に至らないユーザーの購買を促すことが必要と見ていた。
ロコンドをパートナーとして、同サービスを楽天ユーザーに積極的にアピール。ファッションでの成約率や購買頻度アップにつなげて、他ショップ・ブランドへもサービスの普及・拡大を目指す。
ロコンドは初の大手ECモール出店。店名は「ロコモール」で、運営するECサイト「ロコンド」「ロコレット」「ロコスポ」で扱う約1000ブランド、全商品20万点を販売する。サービスは税込み3000円以上で送料無料、30日間返品無料とする。
ロコンドは靴・ファッションECモールとして前期商品取扱高75億円で、今期(16年2月期)は100億円を突破する見通し。急成長中とはいえ、「『買ってから選ぶ』という当社独自サービスはまだ認知が低く、さらに高める必要がある」(田中裕輔社長)とともに、売り上げ成長曲線を上げるため、9800万ユーザーを持つ楽天市場への出店を決めた。
ロコモールの売り上げ計画は今期10億円で、2年目は20億円。ロコモールを加えた今期取扱高見通しは110億円。