R&Coヒルズ店、3期連続2ケタ増へ

2015/07/03 06:50 更新


 和歌山発のメンズセレクトショップ「アールアンドコー」(丸幸、東京・渋谷)の表参道ヒルズ店は売上高が2期連続2ケタ増を達成し、今年度も前年同期比29%増ペースで推移、2億円越えが視野に入ってきた。東京進出から4年目。アウトレットやEC(電子商取引)と幅を広げている。

見せ筋ではなく縦積みで量

 出店は12年、店舗面積は76平方㍍。8カ月目で黒字化し、13年度は60%増、14年度24%増となり、施設の優秀テナント表彰制度で2期連続敢闘賞を受賞した。接客、坪効率、ディスプレーなどの総合評価で、地方発店舗としては異例のランクインだ。当初は、「赤字が出ても、東京における広告塔として全社ビジネスに波及させる」(橋谷朋和社長)狙いだったが、施設の顧客に合わせた店作りを徹底し、立ち位置を確立した。

 要因は、「良いブランドのベストオブベスト」を1シーズン80ものブランド数で実現している点と、ブランドと作る同店限定の別注商品。見せ筋ではなく、縦積みする主力商品として販売している。開店当初から毎月協業品を仕込み、15年春夏は「TMT」「レミリーフ」など12ブランド・二十数型。販売兼バイヤーが集めた客の声を細かく反映し、ファンの支持を集める。別注以外では、シルバージュエリー「コディサンダーソン」などの高額品も良く売れる。

オリジナル商品やEC出店

 入店しやすさも、施設でも上位の水準という来客数に貢献している。高級感が漂う同施設内で、あえて「古着屋っぽさ、楽しさ」を意識。ドアを開け放ち、ショーウインドー越しに見える木目調の什器、ミックス感のあるにぎやかな品揃えで入店を誘う。「滞在時間が長く、人が人を呼ぶ」。5月は単月で客数が500人、セット率1・75、客単価2万8000円だった。

 同社の店舗数は6(ほか自社EC)で、今年度の売上高は7億円の見込み。今後はオリジナル商品を投入し、店舗の粗利益率の向上と、ECモールへの出店を計画。自社ECの大幅改修も予定し、ECの経験者採用を目指す。多角化にも意欲的で、昨年7月にヴィーナスフォートに出した、ブランドからの委託販売主体のアウトレット「アールアンドコーザストックラボ」(132平方㍍)が順調で、利益率上昇に寄与している。

「wjk」「アタッチメント」の品揃えが厚い。円安を背景に、最近は「ジャクソンマティス」「レミリーフ」などドメスティックブランドを強化している
「wjk」「アタッチメント」の品揃えが厚い。円安を背景に、最近は「ジャクソンマティス」「レミリーフ」などドメスティックブランドを強化している
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表参道ヒルズ店限定の別注商品①=「TMT」のTシャツ。カリフォルニアの”R”に店名を掛け合わせた
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表参道ヒルズ店限定の別注商品②=「レミリーフ」のスター刺繍デニムシャツ


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