リゲッタカヌー、ライセンスで欧米へ

2015/07/02 05:51 更新


 靴の企画・製造・販売、リゲッタカヌー(大阪市、高本やすお社長)は7月上旬、台湾の靴メーカー、チルインターナショナル(以下チル)と契約し、欧米市場への販売を本格的に始める。韓国、香港などのアジア以外はチルにライセンス生産販売権を供与する。欧米などでは当面、年間30万~40万足の販売を見込み、世界的に認知された靴ブランドを目指す。日本の靴ブランドが海外企業にライセンスを供与するのは珍しい。

 同社は快適な履き心地と独特なソールのデザインを特徴とするレディス、メンズ靴の「リゲッタカヌー」を企画販売している。14年10月期の売上高は、20億4500万円と大台を突破した。 

 チルは台湾の代表的な靴企業で、親会社のシムテックスは中国・東莞に靴工場を持つ。特に、軽く弾力性があるEVA(エチレン酢酸ビニル)の成型に独自ノウハウを持つという。リゲッタカヌーが企画デザインし、シムテックスの工場で生産、チルが欧米などで販売する。契約は5年間。将来は100万足規模の販売を見込んでいる。

 リゲッタカヌーは3年前から、米展示会・WWDマジックに出展するなど、米国での販売を始めた。しかし、ブランド知名度を上げ、「自力でビジネスを定着させるには10年以上かかる」(高本社長)とみて、チルの生産・販売ネットワークを活用する方が得策と判断した。また、日本で販売しているリゲッタカヌーは年間90万足を国内生産している。現状では100万足が限度としており、欧米などには回せないという背景もある。

 日本製のリゲッタカヌーを販売する韓国、香港、台湾、タイでも拡販を目指す。今年夏からはシンガポールでの販売も始まる。シンガポールを除く4カ国・地域では年間5万足弱を販売している。シンガポールと合わせて、近い将来10万足を見込む。

 今回の提携で「世界の有名ブランドの入り口に立つ」(同社長)ことを目標とする。世界での知名度がつけば、セカンドブランドの開発も視野に入ってくる。また、あくまで大阪発という点にはこだわっていくため、本社のある大阪市生野区に一貫製造の工場を新設する構想も持っている。



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