大阪・アメリカ村で若い子に人気の古着屋「サントニブンノイチ」が11日、東京・原宿に新店をオープンした。外国の部屋をイメージしたカラフルな店には、米国で買い付けた色とりどりな服が並ぶ。
「お店というものが今までしなかったことを常にやり続けたい」とオーナーの稲葉遼さんが話す通り、原宿店も約2万5000人ものフォロワーを持つ、ツイッターのアンケート企画で出店を決めた。
稲葉さんは現在24歳。学生時代にファッション関連の団体の代表を務め、「大学を卒業してわずか4日後」の13年3月に1号店をオープンしたという。
人気のきっかけはツイッターだ。フォロワー数の切りが良いタイミングでユニークな企画を実施。自分たちが車で直接客に商品を届ける通販のデリバリーや、日本各地への期間限定店の出店など。次に店を作ってほしい場所をアンケートでフォロワーに聞いた際には、「『原宿!』という答えが圧倒的で。東京に出すなんて思ってもみなかったんですけど」。
大阪に2店、広島に1店あり、原宿で4店目。面積26平方㍍の店内は、床をピンクと白の市松模様にし、水色の壁には昔の海外アニメのグッズを貼りつけるなど、カラフルに飾った。
商品は古着と、一部オリジナルを扱う。ユニセックスで提案しているが、大阪の店で多いのは女性客だ。小学4年生から40代まで幅広い。メンズの服をあえてオーバーサイズでゆるく着るのが最近の流行で、「大阪は、ビッグTシャツをワンピース風に着ている子がすごく多い。友達と〝双子コーデ〟にして、プリクラを撮っている」とか。チルデンセーターにポロシャツ、ネクタイ、チェックスカートを合わせる海外風のスクールコーディネートなども人気だ。古着は2800~3800円中心。
若い子が安く新品の服を買えるチェーン店が増え、古着にとっては逆風。「古着の文化を復活させたい。うちが狙っているのは、そういうチェーン店と古着屋の中間。キャッチーな企画でまず店に来てもらい、古着に触れてほしい」と話す。
今の若い子のトレンドは、自撮りしたり、それをSNS(交流サイト)にアップすること。ファッションが主役でなく、周囲から共感を得るための手段になっている面もある。「でも、サントニブンノイチを通じて、服に興味を持つ子が増えたと感じる」。
おしゃれでかわいいスタッフたちも同店の大きな魅力だが、そんな憧れのスタッフが客の中から生まれることにも期待している。「うちの店が、ファッションそのものに目を向けるきっかけになったらうれしい」と言う。
■所在地=渋谷区神宮前4の26の28黄色棟3階