静岡パルコが健闘 春の改装、販促が成果

2017/06/22 04:25 更新


 静岡パルコは、静岡市内中心部で商業施設間競争が激化する中で健闘している。17年2月期売上高は今年2月が衣料品の苦戦で厳しかったため、108億円1200万円(前期比0・4%減)だったものの、今期は衣料品の復調と春の改装、販促の成果で増収ペースだ。今後も地域との連携を軸にした販促を強化するとともに、改装によって「都市型パルコのファッションの強みをさらに発揮」(小堤直己店長)し、競合激化に対応する。

 春の改装は2月に地下1階のバームクーヘン主力店「治一郎」を拡大、全国初となるベーカリー、カフェレストランを加えたのに続き、3月から6月7日までにファッション・雑貨を中心に10区画、店舗面積924平方メートルを改装した。今月23日に改装オープンするレディス「エメ」を含む改装面積は990平方メートルとなる。人気店の治一郎の拡大と2階にスパニッシュバルレストラン「オリーブオイルキッチン」を今月7日に導入したことによって食分野を強化した。

 同時に、1階にジュエリー・バッグ「4℃」、レディス雑貨中心の「キャスキッドソン」を導入、コスメ「ジョンマスターオーガニックセレクト」、ジュエリー「フェスタリア・ボヤージュ」を改装し、同階での「上質で、洗練された身の回り品の提案を拡大」した。さらに、5階のメンズ売り場に「ゴスタール・ジ・フーガ」、県内初出店の「ノーアイディー」を入れて「エリア最大集積」であるメンズの活性化を図り、3階にレディス「ウィルセレクション」を入れて、OL向けファッションも強化した。

 3~5月の改装区画の売り上げは前年同期比55%増と好調。同時期の全館売上高は改装に伴う休業区画があった中で、0・1%増となった。既存店では1階の「アーバンリサーチ」「ナノ・ユニバース」、15年春にフロア全体の約半分を改装した5階のメンズ、レディス「トランテアン・ソン・ドゥ・モード」、「フランフラン」などの雑貨店が好調だ。

 3月の開業10周年記念企画を皮切りに、集客イベントを積極的に実施、テナントとの連携によってハウスカード「パルコカード」とスマートフォンアプリ「ポケットパルコ」を活用した顧客拡大策を進めた成果も出ている。パルコカードの3~5月の売り上げは2・6%増、年間10万円以上の購買会員を対象にした「クラスS」の売り上げは23・5%増となった。

 今後は地元開催の音楽フェスへの協賛やパルコのクラウドファンディング「ブースター」を活用した地元企業との協業企画などで活性化を図る。来期は3~4階のレディスで一定規模の改装を計画する。

春に導入し、売り上げ順調な「ウィルセレクション」 



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事