繊維機械のタカオカ、台湾企業傘下へ

2015/08/21 06:50 更新


.. 延反・裁断などの縫製用機械メーカーのタカオカ(大阪市、資本金1億円)は、台湾の千盛實業(タイワン・スプレッディング・センター・エンタープライズ、以下TSM)グループに発行済株式の全部を売却した。TSMグループの傘下に入ることで、新興国を含めたグローバル販売を加速する。

 売却金額などの詳細は非公表だが、今回のTSMによるM&A(企業の買収・合併)後もタカオカのテクノカット事業関連の組織・人員、販売網などは従来のまま。代表取締役については高岡吉太郎社長とTSMの高慶堂社長の2人体制とした。

 レシプロ式、超音波式の自動裁断機(CAM)システムやその関連製品の開発、製造、販売、保守などを主力にしてきたタカオカにとって取引先はカーシートや産業資材関係が中心。これに対し、TSMはアパレル縫製工場向けの延反機の製造・販売が主体。TSMにとっては「市場が重複しておらず、相乗効果を見込める」(高社長)というのがM&Aに踏み切った理由の一つ。

 「延反と裁断はアパレルの生産工程の中でも密接な関係。当社は3年前から代理店契約し、タカオカの自動裁断機を販売してきたが、その技術力や品質はお客さんからも高い評価を得ている」という。今後は延反機と自動裁断機システムをトータルで扱うことでグループの企業価値を高め、メイド・イン・ジャパンにこだわった「タカオカ」ブランドの事業拡大にも取り組んでいく考え。

 TSMは1989年設立。欧米に加え、中南米、南アフリカ、東南、西南アジア各国に代理店網を持ち、中国およびベトナムには自社の拠点を置いている。資本金は370万米㌦。米イーストマンなどのOEM(相手先ブランドによる生産)も手掛けている。

 タカオカは1953年の創業。直近の年間売上高は約8億円。年内には本社および工場を現在の大阪市中央区から生野区へ移転する予定。なお、TSMの傘下に入るに際しては、ラベルプリント事業を分離・独立させている。



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