高島屋は、今年のクールビズ商戦で独自開発した和紙混ジャージージャケットをほぼ完売した。大型店を中心に4月20日投入し、1カ月半で約200枚を販売。消化率は9割超で、値下げしないで7月のセール時までに売り切る見通しだ。素材から独自に開発し、国内産地の技術を生かしたもの作りが顧客の共感を呼び、購買に結び付いた。
ジャケットを企画したのはMD本部紳士服紳士服ディビジョンセントラルバイヤーで紳士服一筋27年の藤井卓郎次長。「ネクタイを外すことから始まった日本のクールビズに疑問を持っていた。夏でも快適な素材さえ生み出せば」と、軽くて汗をかいてもさらっとした肌触りの美濃和紙に注目した。
糸からのオリジナル開発のため、国内各地の有力工場をつないで生産した。和紙をスリット状にする工程を大福製紙(岐阜県美濃市)、撚糸、編み立て、染色を宮田毛織工業、日本化繊など尾州産地企業、消臭加工を帝人フロンティア、縫製を秋田ファイブワン工業に委託して国内で一貫生産した。