帝人は中国で立ち上げ中のケミカルリサイクルポリエステル事業で試験生産を開始しており、まもなく本格生産に乗り出す。3月に開かれたインターテキスタイル(インテキ)上海などで営業活動を先行しており、エコの特徴に加えて異型断面糸などで付加価値を出し、糸、生地、製品の多様な形態で販売を広げる。
約1年半前から中国でのプレマーケティングを始めており、原料にまでさかのぼって再生させるケミカルリサイクルの仕組みや特徴を訴えてきた。このほど開かれたインテキでは、糸展のヤーンエキスポに合弁会社の浙江佳人新材料(紹興市)が出展し、中国初のエコ素材を大々的にアピールした。
試験生産を始めた紹興の同社プラントでは、リサイクル原料の製造から重合、紡糸まで一貫で行い、ポリマー・原糸段階での差別化を行う。当面、吸水速乾「コルティコ」や不定形断面仮撚り加工糸「カルキュロ」など機能素材を軸に据え、デニールのバリエーションを揃える。
インテキでは、スポーツ・カジュアル、ユニフォーム、自動車内装材、ホームテキスタイルの4分野に分け、生地や製品サンプル、イメージなどで訴求した。先行して中国プロバスケットボールリーグ(CBA)の公式ユニフォーム、オンワードホールディングスと富士ゼロックスと共同した富士ゼロックスの中国拠点へのユニフォーム供給などがスタートしているが、内販客からの反応もまずまず。
販売面では帝人商事上海や南通帝人と連携し、糸、生地、製品といったあらゆる形態で内販を拡大し、欧米市場も狙う。
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