〝べビーカシミヤ〟の名称を考案した東洋紡糸工業 カシミヤ原料の検査に全身全霊

2024/11/13 12:30 更新有料会員限定


カシミヤ原料の手引きによる繊維長検査。毛を並べる作業を何度も繰り返すと、長い毛から短い毛まできれいな曲線を描き、原料の〝顔〟が見えてくる

 〝べビーカシミヤ〟という名称を聞いたことはあるだろう。この名称を考案したのが、紡毛紡績を主力とする東洋紡糸工業(大阪府忠岡町)。その定義まで作った会社だという。世界で年間20トン程度しか生産されない希少な原毛の供給を優先的に受け、それを使った糸は同社を象徴する商品だ。糸値は1キログラム当たり5万円。良質な原料を見極める力と、毎年の品質にブレのない徹底した品質管理の仕組みを確立し、欧州のラグジュアリーブランドをはじめとする顧客からの信頼は厚い。安定して高品質を守り続ける同社の技術・ノウハウの源泉を探った。

 年間で入荷するカシミヤ原料は約60トン。中国内モンゴル自治区とモンゴルの2大産地から、同社が独自に設けた極めて厳しい基準をクリアした良質な一級品を仕入れている。「カシミヤは特に原料の品質が肝心。それが品質を決める要素の半分以上を占める」と高橋恭二社長。原料を見極める力が重要なのだ。

品質基準を作った会社

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