UA復調の道筋、MD細分化など急ぐ

2015/08/07 05:57 更新


 ユナイテッドアローズは「最適なタイミングに適切な価格で商品を売る」(竹田光広社長)シーズンMD細分化の精度を高め、既存店売り上げの回復と在庫量適正化を急ぐ。ネット販売、インバウンド(訪日外国人)取り込みで、売り上げ拡大に向けて打った施策の効果が出ており、4月以降、7月まで既存店売上高は前年をクリアした。前年までに膨らんだ在庫の処理も加速し、「今期中をめどにレベルを平準化する」。

 15年第1四半期(4~6月)は増収ながら純利益を除き減益を強いられた。ただ、SPA(製造小売業)型のストア業態を皮切りにシーズンMDを従来の6から8に細分化する取り組みに着手しており、商品投入の時期やセール期の商品量などの点で修正が必要な業態もあるが、「見込みを上回る売り上げを計上する事業も出ている」など成果が上がり始めている。

 シーズンMDの見直しは、商品投入の頻度を増やし、供給量を適正化するほか、顧客を飽きさせない品揃えの実現が狙い。「グリーンレーベルリラクシング」と小型のストア業態で導入に着手したが、今後は他のストア業態にも広げる。一方、セレクト型の「ユナイテッドアローズ」では、逆にオリジナル商品を縮小し、仕入れ商品の比率を上げ、店頭の鮮度を高める。

 ネット販売は、提携する通販サイトが在庫を持たない商品も注文ごとに自社の物流倉庫から配送する仕組みを敷いた。実店舗からネットへも在庫を回すようにもした。また、ネットの先行受注会の頻度も増やした。この結果、第1四半期は17・2%増となった。下期以降もさらに拡大に向けた施策を打つ。

 インバウンド対応については6月末時点の免税対応店舗数が前年同期の3倍強となる191店まで拡大し、4~6月の免税売上高比率は前年同期より2㌽上昇し、単体業績の3・6%まで高まった。今後も免税対応店舗の拡大や販売員の語学研修、手続き簡素化で拡大を狙う。

 前年度までに膨らんだ在庫についてはアウトレットやネット販売を活用した消化を継続する一方、今期は期初の商品投入も減らしている。第1四半期は前年同期の98%の商品量で6%増収を果たした。在庫量そのものは前年の第3四半期をピークに減少傾向にあるとしており、既存店ベースの売り上げの回復とともに、在庫量に関しても今期中に適正化を目指す考えだ。



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