「短納期でサンプル製作受けます」

2015/09/29 06:38 更新


 小ロットから生地染色し、短納期でアパレル製品のサンプルを製作します──生地商社などに向けてサンプル染色を手掛ける浦上染料店(岡山県倉敷市、浦上俊二社長)は対象をアパレルメーカーなどの川中分野に広げ、サンプルビジネスを強化する。強みを持つ染色に縫製や加工も組み合わせて、製品サンプルを提供していく。

 同社はもともと染料商。染工場向けに染料を卸販売してきたが、生産の海外移転を受け、蓄積した技術を活用し、生地サンプルへの染色に事業を転換。ニッチな分野だが、口コミで取引先が広がり、現在は生地メーカー中心に約200社と取引している。

 製品サンプルを提供していくうえでの強みは、社内に染色試験機があり、小ロットで色見本の作成が可能な点だ。染料、薬品メーカーとの太いパイプを生かし、取引先が希望する色を素早く出せる。染工場は一般に小ロットの依頼を苦手とするが、同社は約3分の1反から対応する。

 縫製や加工は、地元の児島地区などにあるメーカーと協力するほか、自社が持つ洗い加工設備も活用している。

 すでに、アパレルメーカー数社と取引実績がある。アパレルメーカーに対し、染色堅牢度についてアドバイスするほか、本生産に向けての工場選定や生産手法の提供、仕様書作成の手伝いもしている。海外で生産する場合も同様にサポートする。

 倉敷市・児島はジーンズ・カジュアルのイメージが強いが、「本業のサンプル染色と同様、カジュアルだけでなく、ナイロンなど合繊の薄手織物も含めてほぼオールマイティーな対応をしていく」(浦上社長)。生地商社とのサンプル染色ビジネスを継続しつつ、「アパレルメーカーのデザイナーと一緒に、もっと染めや加工を生かした新しい企画が生み出せれば」としている。



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