ワールドの15年4~9月連結業績は、減収ながらも営業損益を黒字化を達成した。
15年度から①不採算事業の撤退②不採算店舗・低収益店舗の退店③型数の削減を軸とする構造改革に着手しており、これらを含めたコスト削減の徹底が「想定以上の大幅改善」となり、営業黒字化に結びついた。
上期の連結業績は売上高が前年同期間比3.3%減の1355億4600万円、営業損益は30億8900万円(前期は9500万円の赤字)となった。
当期損益は、希望退職に伴う特別加算金約31億円などを損失計上したものの、12億7000万円の赤字(同12億8400万円の赤字)と前期並みを維持した。
粗利益率は、円安による原価率の上昇により1ポイント低下の55.8%となったが、人件費31億円、物流費8億円、歩率家賃7億円など販売管理費を71億円削減し、販売管理費比率は53.6%と3.3ポイント低下した。
営業損益の黒字化は、「利益を生まない売り上げは追わない」「収支など月次単位での利益計画の達成」などを指針の実践によるもの。
構造改革の進捗については、不採算事業の撤退は、12年春夏に立ち上げた「アニマ」と13年春夏開始の「ジンジャーエール」の2事業。
また、国内連結ベースで181店を退店し、9月末の店舗数は111店減の2735店となった。退店は百貨店、駅・ファッションビル、SC、路面店など各チャネルで実施した。
型数削減については、「仕入れコントロール」により、仕入れ金額を前年比12.1%減、仕入れ枚数ベースでは13.4%減と抑制し、プロパー販売を強化した。プロパー販売率が向上するとともに、期末在庫が金額で30.3%減、枚数で38.9%減少した。
なお、当初発表した10~15ブランドの廃止、400~500店の退店については下期に計画通りに実施する。下期の退店はSC中心になるとしている。
構造改革と平行して取り組んでいる「強化事業」は、EC(ワールドオンラインストア)で、各ブランドの公式ECサイトの開設が進んでおり、上期売上高は11.2%増の62億円となった。
また、地方小商圏を対象にした直営・FC店を拡大するほか、「伸ばせる既存ブランドがある」とする百貨店向けも投資していく方針だ。