文化服装学院は11月2~4日に開催した文化祭で、企画やデザイン、縫製からモデル、ヘアメイク、舞台演出関係まで全て学生が手掛けたショーを行った。国内外のテキスタイルや服飾副資材の企業38社などから協力を得て作品を制作。在校生約700人の学生が参加し、6場面で構成するショーを作り上げた。期間中に14回、前日に開いたレセプション内でもショーを行い、4日間で1万人以上が来場した。
今回のテーマは「ワン」。101周年を迎えた同校が、一本の針のように強く時代を突き抜け、歴史を切り開いていくとの思いを込めてテーマを設定。現代華道家の大薗彩芳氏はショーのために、藤のつるの巨大な〝針〟と4000メートルを超えるラタン材の〝糸〟を使い、流線状の直径4メートルのオブジェを制作した。文化祭前日のレセプションで、針と糸で縫う様子を表現したライブパフォーマンスも行い、舞台中央の天井に飾った。
ショーでは、在校生の外部コンテスト選出・受賞作品や、各学科と企業との協業作品を集めた場面を新設。残る5場面では、各場面のコンセプトを基に学生が描いた約300点のデザイン画から選抜し、デザイナー中心に個人やチームで制作した全89作品を披露した。
細幅資材製造のSHINDOがリボンやテープを提供した場面と、栄レースがリバーレースを提供した場面では、作品制作によるコンテストを実施。米国のアウトドアバッグブランド「ジャンスポーツ」と協業した場面では、使用済みのサンプルや製造段階で汚れが付いて廃棄予定だったバックパックを資材に学生が服を作り、ショーで発表した。
ショーのパンフレットも昨年に続いて写真家に依頼し、同校卒業生の新田桂一氏がショー作品を撮影した特別版を1000部限定で販売した。