大手百貨店の9月売上高(速報値、既存店ベース)は、大都市の店舗は軒並み前年実績を上回った。月前半は雨や台風の影響を受けたが、後半のシルバーウイークは好天に恵まれ、服飾雑貨を中心に盛り返した。休日が前年と比べて1日多かったことが大きい。各社ともに、大都市の店舗はインバウンド(訪日外国人)需要で時計・宝飾品や洋品雑貨、化粧品が押し上げたが、それ以外は昨年を下回る百貨店が多く苦戦した。
三越伊勢丹は1・2%増。店舗別では伊勢丹新宿本店が5・9%増、三越日本橋本店が5・0%増だった。秋物の買い替え需要でスカーフやマフラーなどの雑貨、婦人服のスーツやブラウス、紳士服のスポーツコートやジャケットの動きが目立った。三越銀座店は4・7%増。リモデル工事により面積が最大40%縮小していたが、時計・宝飾品などインバウンド需要が大きく、前年を上回った。
高島屋は4・2%増だった。婦人服を除くほぼ全ての商品分野で前年比プラスとなった。店舗別では大型店が日本橋店(10・2%増)を筆頭に、大阪、京都、横浜、新宿の5店が増収。郊外でも岡山(6・2%増)、玉川(5・6%増)、高崎店(0・2%増)が健闘した。
大丸松坂屋百貨店は2・5%増。シルバーウイークに全社販促「秋のサンクスフェスティバル」を実施したことが寄与した。そごう・西武24店合計は0・9%増、西武池袋本店は2・4%増、そごう横浜店は3・0%増だった。松屋は20・2%増。銀座店は22・0%増で、顧客特別招待会で秋物が活発に動いたこと、紳士服フロアの改装効果で好調に推移した。
阪急阪神百貨店は4・2%増。阪急うめだ本店は13・7%増、阪急メンズ大阪が19・8%増だった。近鉄百貨店は0・2%減だったが、あべのハルカス近鉄本店が気を吐き、3カ月連続増収。免税売上高が前年同月比約5倍と化粧品、ラグジュアリーが引っ張った。