ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長ら同社首脳は25日、海外を含むメディアを集めた懇親会で「良い商品の元になるのは情報であり、それを最適の形で商品化する人やインフラを我々は持っている」と語り、今後の同社のビジネスについて「アパレル、小売りの枠を超えた新しい産業を作る」との考えを改めて強調した。
柳井会長は昨年秋冬の暖冬や値上げの影響で収益性が低下したユニクロ事業について、売れ行き不振を天候のせいにするのは「言い訳」としたうえで、価格政策を含め上期(15年9月~16年2月)のユニクロの低迷は「内部要因による」と語った。
今後は「セミオーダーのように、一人ひとりの要望に合った商品がお客の元に届くようになる」と同社を含めたアパレル産業の将来像について語った柳井会長は「(産業を作ることは)一朝一夕ではできないが、グローバル化とデジタル化が進み、豊富な人材とインフラを持つ我々にはそれができる」とした。
懇親会に参加した、プレジデント・オブ・グローバル・クリエイティブのジョン・C・ジェイ氏は柳井会長の発言に関連し、「アパレル産業は現在、混沌とした過渡期にあり、ファーストリテイリングが新しい価値を消費者に伝えるには最高のタイミング」と語り、「それを実現するため、世界中の市場、文化をつなぐ仕事をしていく」とした。