90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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男の子に広がるミニショルダー 便利でかわいい
1998年6月6日付
男の子たちが、ポシェットのような小さなショルダーバッグを持ち始めた。15~18センチ四方ぐらいで、携帯電話や化粧品、財布などの小物を入れるのにぴったり。細めのストラップで、すっきりと軽い雰囲気だ。
小物を入れるものといえば、男の子にとってはウエストポーチくらいしかなかった。でも腰に巻くのはカッコ悪い。ウエストポーチも、肩から斜めに背負っている人が目立つ。パンツのポケットが膨らむのは最悪、というわけで、ミニショルダーが急速に広まっている。
「レディスの店で偶然見つけた」「安かったから迷わず買った」「便利で可愛い」などの声。
人気を集めているのは、「ポーター」(吉田カバン)のミニショルダー。CDポーチや財布内蔵のパスポートケースとして売られているものを、ストリート用で使っている。ほかにミリタリー調のものや、真っ赤なポーチも目立つ。化粧ポーチと並んでこのミニショルダー、男性用として定着しそう。
《記者メモ》
男性たちの取材はだいたい原宿で行っていました。今ならスマホショルダーということになるのかもしれません。でもなぜか男性のスマホショルダーは見かけませんね。
(赤間りか)