90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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折り畳み自転車が大流行 軽くてコンパクトが人気
2000年7月18日付

キックボードがきれいさっぱり消えたと思ったら、小さな折り畳み自転車が大はやりしている。原宿・明治通りかいわいを歩くとしょっちゅう自転車とすれ違う。乗っているのは近所に住んでいる若者や美容師、ショップスタッフだ。道路端にはカラフルでカッコイイ小型自転車がずらり。
「本気で電車に持ち込もうと思って買った」男性や「盗まれないよう玄関に入れる」という会社員など、とにかくコンパクトなのが受けている。
「大きな自転車は伸び悩み、人気は軽くコンパクトなものに移行している」というのは無印良品(良品計画)。3月にカラフルフレームの20インチを発売したのに続き、12月には18インチの折り畳み型を出す。原宿あたりで一番人気に見えるプジョー(サイクル・ヨーロッパ)も、折り畳みの「パシフィック18」のほか、立て掛けるタイプなどほとんどが室内に持ち込める仕様。生活雑貨ショップのボザール(ブルーグラス)は昨年秋に折り畳みを発売。飛ぶような売れ行きで、オリジナルのホルスタイン柄は売り場に並べた日に売り切れ。追加投入を続けている。
《記者メモ》
原宿、表参道かいわいでは、まさに〝だらけ〟だったので取材に走りました。どんな業界にもトレンドがあります。自転車もファッションですね。
(赤間りか)
