インターネット販売サイトの運営・ITサービスを行うオリガミ(東京、康井義貴社長) は19日、モバイル端末決済サービス「オリガミペイ」を開始した。商品購入でキャッシュレスと時間短縮ができ、導入店側はオリガミペイを活用した顧客へのワンツーワンマーケティングが可能になる。日本では現金とクレジットカード決済が主流のため、モバイル決済サービスの浸透への期待は高い。
オリガミペイは、商品購入・サービス決済が個人モバイル端末をかざすだけという簡易・利便性を追求した。消費者はスマートフォンにダウンロードした「オリガミ」アプリにクレジットカード情報を登録すれば、導入店舗でスマホ決済できる。サービスに対応するクレジットカードは現在VISA、マスターカードで、順次拡大していく。
導入企業や店舗では、迅速な決済で購買体験を高めることが可能となり、モバイル決済が進む中国からの観光客など、インバウンド(訪日外国人)対応としても期待できる。特に決済の速度は双方にとって魅力。店側端末のiPadにスマホをかざせば、数秒で決済が完了する。
決済した顧客には、アプリを介したプッシュ通知が可能となり、リピーター作り、販売促進しやすい仕組みといえる。
サービス導入は、既存のPOS(販売時点情報管理)レジにiPad端末を接続し、アプリをインストールするだけ。セキュリティー対策は、レジでクレジットカード情報を読み取らず、オリガミIDで決済され、後に両IDをひも付けする。
サービス本格化で、ファッション企業も参加した。阪急百貨店メンズ館、アーバンリサーチ、ジュン、AOKI、オリヒカなどが導入を決めている。飲食ではワイヤードカフェ、アイスモンスターが参加した。
同サービスは15年10月から試験展開していた。モバイル決済は中国で急速に浸透している半面、日本はクレジットカード決済率が増加してきた。同社では「『なったらいいな』を形にするため、4年間開発に費やしてきた。モバイル決済を習慣・カルチャーとして提案していく」(康井社長)という。