マックハウス白土氏“ジーンズカジュアル業界”は幻想

2017/05/26 04:27 更新


白土孝マックハウス社長

 マックハウスは今期(18年2月期)、成長に向けたビジネスモデル確立のために取り組む課題として、「ジーンズカジュアルショップからの脱皮」を掲げている。新規客を開拓するため、ジーンズやアメカジブランドだけでなく、幅広いアパレルや生活実需品なども融合した店へと変革する。

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 以前、当社の店で買い物をしてくださる18~69歳のお客様へアンケートを実施し、「当社以外で衣料品を購入する店」を尋ねたところ、上位3位は国内の低価格SPA(製造小売業)企業で、4位は家具や日用雑貨までを扱う総合小売店。5位にようやくジーンズカジュアルチェーン店の名前が挙がりました。我々は長年にわたり、「ジーンズカジュアル業界」などという言葉を使ってきましたが、そんな定義はもはや幻想で、ずっと昔に終焉(しゅうえん)を迎えていたんです。

 カジュアル衣料品業界は、低価格志向の継続、少子高齢化による消費の減少、ファストファッションやネットショッピングの普及による競争激化で、ビジネスが大変難しくなってきたと感じます。こうした環境のなか、当社はより多くのお客様の支持獲得を目指し、ビジネスモデルそのものの抜本的改革に取り組みます。

 今後は「暮らしに役立つ」をキーワードに、ジーンズカジュアルから実需衣料中心のビジネスモデルに転換します。ジーニングやアメカジ一辺倒のMDからの脱却を図るとともに、強化してきた「ビジカジスタイル」など新たな提案への挑戦を繰り返すことで、客数増による売り上げ拡大を図ります。

 中間価格帯もこれからの時代は難しいと思っています。これまでよりも低価格かつ機能性に優れたPBなど、お客様にとって魅力のある商品を開発し、集中的に販売することで売り上げを伸ばします。また、使用頻度の高いインナー・レッグウェア、レイングッズなど実需型の商品を充実することによって、来店頻度や買い上げ点数を高めると同時に、天候に左右されない品揃えを強化していきます。

 実需衣料中心に転換するとはいえ、ジーンズやアメカジブランドは当社ならではの味であり、付加価値であることは事実です。

 一切販売しないということではなく、他社との差別化を図る上で大切な存在だと考えています。




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