【上海支局】良品計画は12日、中国最大の旗艦店「無印良品上海淮海755」を開いた。上海市の中心街、淮海中路沿いにある百貨店の1階から3階を改装し、売り場面積2790平方㍍で開業した。中国初の「ムジ・ブックス」やコミュニケーションスペース「オープン・ムジ」、衣料を再生販売する「リ・ムジ」のほか、昨年開業した成都旗艦店の太古里店に続いて「カフェ&ミール・ムジ」を取り入れた。
上海淮海755店は上海で20店目、中国で152店目。ちょうど1年前に出した成都旗艦店は「計画通りの売り上げ」(清水智良品計画取締役東アジア事業部長)だが、上海旗艦店ではさらに新しいフォーマットを試みた。
その一つがムジ・ブックス。3階に60平方㍍ほどの売り場を設けたほか、衣料やインテリア、食品などの売り場で書籍を融合させた。中国の書店を調査し、「衣、食、住、行、育、楽」をテーマに無印良品のコンセプトで編集した書籍が並ぶ。「本の集客力は強く、滞在時間が延びる。物販のスペースを縮めても売り上げ増加が見込める」(清水取締役)。
リ・ムジは中国では回収品の再生ではなく、自社の古い商品をきれいにし藍染めして販売する。また食品を強化。アイテム数を約2倍にし、無印良品以外の商品も多く入れた。
VMDの手法も変えた。成都では商品を整然と並べるが、上海では使うシーンを思い描けるようにコーディネートで陳列する方法を多用した。アートなインテリアが多い「イデー」も2階にコーナーとして配置し、生活シーンの幅が広がるようにした。