個性豊かなアパレルブランドの出展が目立つ。上質な素材や職人の手仕事にこだわった国産ブランドが多い。伝統工芸を現代のファッションとして楽しめるようアレンジした商品の提案も充実する。(カッコ内はブース番号)
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熊本市の老舗地域卸の古荘本店が運営する「ウブスナ」(H-36)は、地元の伝統工芸を落とし込んだユニセックスウェアのブランド。「洋服でもない、和服でもない、長く愛し続けることのできる日本の服」がコンセプト。200年以上前に作られた、煤竹(すすたけ)といういぶされた竹を職人が加工したボタンを使ったシャツなどを企画している。ほとんどの服に貴重な手織りの生地で知られる、肥後綿布のパッチがつく。
現在の販路は本社内にある直営店で、11月中に自社ECを開設する予定。百貨店での期間限定店なども増やしたいという。
「セノクランジャポネ」(H-38)は、紬のきものをほどいて仕立て直したレディスウェアのブランド。商品はすべて一点物で、手作業で作られている。
デザイナーの松川奈美子さんは長年、レディスアパレルのデザインを手掛けてきた。大島紬をリメイクしたワンピースを着た女性に感銘を受け、23年にブランドを立ち上げた。
専門の業者などから、本物の紬と鑑定されたきものを材料として仕入れる。洋服に仕立て直しても普段着で使いやすい柄を厳選するという。「歌舞伎を見に行く際にきものを着て楽しむような感覚で、少し特別な時に着たくなる服を作っている」。
商品はワンピース(5万~8万円)、アウター(10万~15万円)など。紬特有のネップ感が大量生産の生地とは異なる魅力を出している。ジップアップのブルゾンなど、モダンなアイテムもある。
今後は全国のセレクトショップなどで期間限定店を開き、認知拡大を進めたい考えだ。
アパレルOEM(相手先ブランドによる生産)の虹普の自社ブランド「シーワン」(H-31)も、注目の国産ブランド。スタートは21年。吸汗速乾・防臭など、天然の機能性に優れ、環境にも配慮したウールの魅力を生かした、インナートップやカーディガン、ストールを販売する。
メンズはジャケットのインナー用に企画した、後ろ襟が高めのTシャツが売れ筋。レディスではボタンが付いており、ボレロのようにも着られるストールが人気だ。
販路は自社ECがメインだが、「シンプルな商品で魅力が伝えきれていない」とし、百貨店や専門店での期間限定店を増やしたいという。