人工知能(AI)技術を使ったスマートフォン用ファッションアプリ「SENSY」(センシー)を提供するカラフル・ボードと三越伊勢丹ホールディングスは、アプリ「センシー×イセタンメンズ」を共同開発し、EC接客サービスを始めた。両社が取り組む人工知能接客プロジェクトの一環で、16年1月中旬までの期間限定。
AIで客の好みに合った服や雑貨を提案する。客はアプリに表示される伊勢丹新宿本店メンズ館の商品について、好きかどうか画面をタッチしながら振り分け、好みをAIに覚えさせる。AIは蓄積されたデータをもとに、約100ブランド1000アイテムの中からコーディネートを提案する。
これまで三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店やメンズ館の店頭にタブレットを設置して、同サービスを限定的に提供してきた。アプリにすることで「時間と場所を選ばない買い物体験」(三越伊勢丹)となり、仮説検証の精度を高める狙いだ。
三越伊勢丹はあくまでも「販売員による接客が基本」との考えだが、販売員とAIの連携が実現すれば、接客の魅力が向上するとみる。たとえば顧客は自身が気付いていない潜在的な好みを発見でき、販売員は担当している売り場以外の商品提案が可能になると予想する。将来的には人型ロボットへの搭載や地方店への導入、アプリによるEC送客に役立てることも視野に入れる。
今回のアプリには、メンズ館の担当バイヤー5人のAIも搭載。バイヤーの好みを見ることができ、「接点を持つことが少ないバイヤーとお客を橋渡しする」効果にも期待する。