【パリ=松井孝予通信員】伊トッズは、仏「ロジェ・ヴィヴィエ」を4億1500万ユーロで買収すると発表した。ロジェ・ヴィヴィエの評価額2億~2億5000万ユーロをはるかに超える買収額となった。
トッズを率いるディエゴとアンドレのデッラ・ヴァッレ兄弟が経営するグッソン(Gousson)がロジェ・ヴィヴィエも所有しており、この買収はグループ内取引となる。グッソンは、ロジェ・ヴィヴィエの譲渡額のうち2億750万ユーロをトッズに増資として再投資する。これによりデッラ・ヴァッレ家が所有する株は60・66%から57・47%に下がる。
ロジェ・ヴィヴィエは1937年創業。50年代、60年代に全盛期を迎え、エリザベス英女王やカトリーヌ・ドヌーブらが顧客リストに名を連ねた。98年に創業者ヴィヴィエ氏が死去。03年からディエゴ・デッラ・ヴァッレがロジェ・ヴィヴィエに投資を始め、ブルーノ・フリゾーニをアーティスティックディレクター、イネス・ド・ラ・フレサンジュをアンバサダーに起用し、パリ・フォーブルサントノーレに路面店を開設した。15年1~9月期の売上高は前年同期比20%増の1億1200万 ユーロ 。トッズは傘下「ホーガン」のように、今後ロジェ・ヴィヴィエをレザーグッズだけでなくトータルブランドを目指してかじ取りしていくとみられる。