東レの16年3月期連結決算は、売上高と全ての利益が過去最高を更新した。繊維事業が引き続き収益の柱で売上高8920億円(前期比4・1%増)、営業利益689億円(23・9%増)の増収増益で同事業も過去最高を更新した。炭素繊維事業も好調を維持し売上高1862億円(17・6%増)、営業利益361億円(37・7%増)だった。中期経営課題「プロジェクトAP‐G2016」の最終年度となる今期の繊維事業は売上高9200億円、営業利益710億円を目指す。
繊維事業は東レ単体、国内、海外全てが増収増益となった。国内は衣料用途、産業用途の自動車関連で一部在庫調整の影響を受けたが、全般的に拡販を進め売上高4668億円(3・3%増)、営業利益133億円(6・0%増)だった。また、縫製品事業の売上高は2924億円(9・2%増)だった。
海外はエアバッグ用基布や内装材料といった自動車関連、衛生材料向けも東南アジアやインドにおける需要が拡大したこともあり売上高5326億円(8・5%増)、営業利益410億円(30・8%増)となり、高付加価値化が進んでいる。このうち東南アジア子会社の業績(単純合算)は売上高1241億円、営業利益86億円、中国は2673億円、営業利益212億円となった。中国は全ての子会社が利益貢献するようになった。
今期の連結業績は売上高2兆2300億円、営業利益1700億円、経常利益1700億円、当期利益1050億円と、全てで過去最高の更新を目指す。