TSIホールディングス、台湾事業をテコ入れ 海外事業の早期黒字化へ

2025/09/05 06:28 更新NEW!


台湾ではすでに「ナノ・ユニバース」を含めた11ブランドを販売している

 TSIホールディングス(HD)は、海外戦略を本格化する。25年2月期の海外事業の売上高は約121億円、営業損益は赤字だったが、仕組みを見直し早期の黒字化を目指す。「ハフ」や「ナノ・ユニバース」など既に11ブランドで進出する台湾を最初にてこ入れする。

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 台湾事業は現地法人のTSI台湾が同地域全体の収益に責任を持つ。これまで各ブランド・事業部で個別に動いていたが、TSI台湾が統括し、効率化やノウハウの共有などを進める。9月からは駐在員を増員して体制を強化した。今期(26年2月期)売上高約2億4000万円を見込み、27年2月期には5億円、28年2月期には10億円に引き上げて、黒字化を狙う。

 MD・販売・販促の3分野で修正する。各ブランドの本部が主導することが多かった商品は現地法人主導に切り替え、売れ筋の把握や期中追加にも機敏に対応する。台湾向けのオリジナル商品の投入も検討する。

 販売面では1社に任せてきた販売代行業者を増やして競わせ、集客と客単価、購買決定率などを高める。販促も日本が主導していたが、今後は現地のPRエージェンシーと組み、台湾向けに最適化した広告やSNS施策を打つ。これらの施策で1店舗当たりの売り上げを引き上げる。

 「パーリーゲイツ」など現地代理店を通じて既にビジネスを続けているブランドでは、代理店とTSI台湾との連携を強める。また、TSI台湾が直接運営するブランドの追加投入も検討している。

 海外戦略と並行し、インバウンド対策と越境ECも強化する。多言語対応などブランド横断的な取り組みを加速する。

 TSIで海外戦略を担当する渡邉卓グループ戦略統括部経営戦略部担当部長は「海外事業はこれまで各事業部でバラバラに動いていたので、これを俯瞰(ふかん)し、戦略的・横断的に取り組む。手始めに台湾に注力するのは、多くの日本企業が進出して黒字化を達成しており、成功できる土壌があるため」と話す。

渡邉担当部長

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