百貨店の年明けの冬物クリアランスセールは婦人コートの売れ行きが明暗を分けそうだ。年内のプロパー販売が不振を極めただけに「店舗の商品保管場は冬物コートで満杯」(都内百貨店)の状態という。過剰在庫を一掃するため、年明け早々の冬物セールに集中し、価格一辺倒の戦略に転換する店舗が少なくない。
すでに今月中旬から一部商品でプレセールを始めたブランドもある。一方で「実需期のピークに価格を下げるのは本当にお客様が望んでいることなのか疑問」(大手百貨店商品担当役員)と、改めてセールのあり方が問われている。
百貨店婦人コートのプロパー販売は11月が前年同月比で2割ほど減少したと見られ、12月も不発だった。ダウンの落ち込みが大きかったのに加え、期待していた上質なロングウールが伸び悩んだ。