【パリ=松井孝予通信員】仏人デザイナーのアンドレ・クレージュ氏が7日、パリ郊外ヌイイ・スュール・セーヌの自宅で死去した。92歳だった。
メゾン「クレージュ」は、同氏が30年以上もパーキンソン病と闘っていたと伝えた。クレージュ氏は、仏南西部ポー生まれ。土木建築を学び、第二次世界大戦後パリに移り、エコール・ド・ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ(パリオートクチュール組合校)に通った。
「バレンシアガ」で10年間経験を積み、後に同氏の妻となるコクリーヌ・バリエールさんとともに61年にクレージュを創設。64年に発表したトラペーズの白いミニドレスの「ザ・ムーン・ガール」コレクションは、センセーショナルな話題となった。革新的素材を積極的に取り入れたミニスカート、ショートのコンビネゾン、パンタクール、ボディータイツを次々と発表し、「未来派」「実験的」ファッションのシンボルとなった。
クレージュ氏は94年に引退。11年に同メゾンを買収した実業家のジャック・バンジェール氏とフレデリック・トーロティング氏はクレージュの若返りを図り、昨年5月、仏「コペルニ・ファム」のセバスチャン・メイヤーとアルノー・ヴァイヤンをクリエーティブディレクターに任命した。