【ニューヨーク=杉本佳子通信員】カナダの老舗デパートチェーングループのハドソンズベイカンパニー(以下HBC)が、会員制フラッシュセールのギルトグループホールディングス・インクを2億5千万㌦で買収することで合意したと発表した。取引はギルトの株主の承認を得るなどした上で、2月1日頃に成立する予定。
これにより、HBCは2016年度の売上高に約5億㌦、金利・税金・償却前利益に約4千万㌦、それぞれ上乗せできると見込んでいる。2億5千万㌦及び取引にかかる手数料は、キャッシュで支払われる予定という。
HBCによると、ギルトの会員数は現在900万人を超え、売り上げの約半分がモバイルを通じて得られている。ミレニアム世代の顧客が多い。HBCのデジタル販売も急速に伸びていて、ギルトのモバイル及びパーソナルなサービスにおける優位性を活用してさらに伸びることが期待されている。
一方で、HBC傘下の「サクス・オフ・フィフス」内にギルトのインショップを作り、ギルトのサイトで購入した商品をサクス・オフ・フィフス店で返品できるようにすることも計画されている。
投資会社のファイナンコのギルバート・ハリソン会長は、デパート業界全体は苦戦していて、HBCも他より少しいい程度で特別にうまくいっているわけではないとみる。「それでも成長するためには出費しないといけない。そのために(HBCが)非常に精力的に動いているのは明らかだ」とハリソン会長は語った。