1970年代の復刻ユニフォームで難民を支援――ドイツのサッカー・ブンデスリーガ2部のFCザンクトパウリとデンマークのサッカーブランド「ヒュンメル」は、15~16年シーズンのユニフォームで復刻版を製作し、その売り上げの一部を難民受け入れのプロジェクトに寄付する。
製作するのはホーム、アウェー、サードに次ぐフォースユニフォーム。ポリエステルではなくコットン製で、「<」のマークが連なったシェブロンラインにヒュンメルのロゴが入った1974年の復刻版。ザンクトパウリとヒュンメルは今シーズン前に、性的少数者への差別反対運動を象徴するレインボーカラーを採用したアウェー用のユニフォームを発表し、同性愛差別への反対を表明。今回はレトロユニフォームの復活で難民を支援する。
ザンクトパウリは反ファシズムで知られ、欧州で初めて、スタジアムでの右派的なスローガンを唱えることを禁止したサッカークラブ。性差別の反対もクラブ規約に盛り込んでいる。ドイツリーグ2部ながら、「国内ではバイエルン・ミュンヘンに次ぐ人気チーム」(エスエスケイ)で、元日本代表の宮市亮選手が所属している。
一方、ヒュンメルは「スポーツを通して世界を変える」をブランドのミッションに掲げ、この間、シエラレオネのサッカー代表チームやアフガニスタン史上初の女子サッカー代表チームを支援するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。日本ではスポーツ卸大手のエスエスケイが13年に国内の商標権を取得。デンマーク本社と歩調を合わせたグローバルマーケティングに取り組んでいる。