上顧客らを対象とする百貨店の販売会の売り上げが前年実績を上回った。東急百貨店の「双裳会」は20~22日の3日間で12億6000万円、松屋の「松美会」は23日の1日で8億円となった。販売会は春と秋の年2回開催しているが、春としては過去最高となった。
ラグジュアリーブランドや時計・宝飾貴金属・美術品など高額品だけでなく、婦人、紳士の衣料、雑貨の売れ行きが良かった。春物の立ち上がりに合わせた顧客へのアプローチで需要を喚起し、売り上げ増に結びつけた。
東急百貨店は、3月31日に開業する東急プラザ銀座に出店する「ヒンカリンカ」と連動し、セレクトショップ「マギークープ」、雑貨の「ラムフロム」の先行販売を実施した。ヒンカリンカのプロモーションや日本の技術や感性で作った商品を編集した期間限定店が好評だった。
松屋は銀座本店開店90周年を記念した限定品や婦人・紳士のファッション関連商品の動きが良かった。婦人服はスプリングコート、雑貨はクリエーターらの帽子が単価増につながった。ドリンクサービスなど店頭イベントを充実したことで通常に比べて顧客の滞留時間が延びた。
外商顧客だけを対象にしたホテル催事とは異なり、自社カード会員や一般顧客を含め幅広く来店を促した効果が表れた。