米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店を務めるドームは、26年に誕生30周年を迎えるにあたり、革新性の高い商品に注目した販促を強化する。
伊藤忠商事出身で、4月に社長に就任した井出和仁氏は「アスリートや部活学生を主対象としつつ、社会人としてスポーツを行う多様な層の『フォーエバーアスリート』への販売も強化する」と話した。
アスリートから熱烈な支持を得て創業後約10年で株式上場を果たしたが18年ごろから勢いが鈍化。コロナ禍も追い打ちをかけ、近年は業績が低迷していた。24年4月に創業者のケビン・プランク氏が再び社長兼CEO(最高経営責任者)に就任。ドームも22年に伊藤忠傘下となり、再構築に取り組んでいる。
11月17日に取引先を招き開催した「セールスサミット」では製品説明に多くの時間を割いた。新生アンダーアーマーを象徴する商品が、形状記憶素材を使った無縫製の帽子「ステルスフォームキャップ」と重さを感じにくくする「ノーウェイバックパック」。特に今8月に発売したバックパックは口コミで評判が広がり、初回投入分は日本では完売した。本国企画で「(各分野の)ゲームチェンジャーになり得る商品」(井出社長)と期待する。

今後は日本向けの物作りの精度を高める。井出社長は「アンダーアーマーはグローバルブランドでありながら、日本企画の自由度が高い。日本のユーザーに対応する企画を磨き上げ、まずはフットウェアの品揃えに力を注ぐ」と強調する。ドームの25年3月期売上高は前期比0.2%増の296億8700万円。「当面は利益率を重視し、中長期的には売上高向上を図る」という。
