ルックはデニムブランド「デンハム」を製造販売するオランダのデンハムグループと合弁会社を設立し、4月1日から日本におけるデンハムの独占輸入販売とライセンス生産・販売を開始する。現在、国内に18あるデンハムの直営店を20年までに50まで増やし、売上高40億円(小売価格)を目指す。
今月中に新設する合弁会社の社名はデンハム・ジャパン(仮)とし、社長にはデンハムグループの日本法人デンハム・ザ・ジーンメーカー・ジャパンの根岸洋明CEO(最高経営責任者)が就く。デンハム・ザ・ジーンメーカー・ジャパンは解消し、全事業をデンハム・ジャパンが引き継ぐ。出資比率は非公表だが、ルックが3分の2以上を出資する。
デンハムの持つ高い企画力・商品力にルックが積み上げてきた豊富な事業運営力や百貨店などとの強固な信頼関係を組み合わせ、双方の強みを生かして事業を運営する。ルックは従来のようなディストリビューション契約ではなく、資本参加することで「一体感をもって運営し、中長期的視野に立って事業を成長させていく」(多田和洋社長)とする。
商品構成はメンズ6割、レディス3割、キッズ1割。中心価格は2万円台後半~10万円。キッズは今春スタートで、神奈川・横浜市の新商業施設マリーン&ウォークヨコハマに出した直営店に世界初となるコーナーを設けた。
主な販路は百貨店、ファッションビル、セレクトショップなどとし、今春は大名古屋ビルヂングにも出店する。直営店を軸に卸販売も行う。
デンハムは08年、デニム職人であるデンハムグループCEOのジェイソン・デンハムがオランダ・アムステルダムで立ち上げた。現在、22カ国で販売し、売上高は約43億円。仏パリのコレット、米ニューヨークのバーニーズなど有力専門店への卸販売に加えて、小売りも強化している。
本国オランダに次ぐ市場として力を入れてきたのが日本で、ここ数年着実に売り上げを伸ばしてきた。ジェイソン・デンハムCEOは「デニムブランドにとって、デニムをよく知る消費者のいる日本は世界で一番重要な都市」とし、「ブランドとしてさらなる拡大を図るためには、日本企業と手を組むことが必要と判断した」という。