子供服の三起商行「ミキハウス」の春節(中華圏の旧正月)商戦は、今年も好調だ。インバウンド(訪日外国人)が多い東京(新宿と銀座)、大阪、札幌、福岡の2月1、2週目の売上高は、前年同期比約50%増となった。訪日混雑のピークを避ける中国人も多く、3週目までの累計は、30~40%増と高水準で推移した。
今年の傾向は「客数増、客単価減」。訪日外国人数の増加に伴い、頻繁に来日するリピーターが増え、富裕層から中間所得層へ裾野が広がった。一度に何十万円も買う爆買い客はやや減ったが、客数は衰えなかった。
売れ筋は、春節に限らず国内外で人気のベビーシューズ。お土産用に1000~2500円の価格帯のスタイ、歯ブラシセット、ソックス、水筒も動いた。リピーターは、前回購入分よりも大きいサイズの海島綿の肌着(4000~6000円)を求めた。例年に比べて、出産準備品であるベビー肌着や寝具も売れた。
春節、国慶節だけでなく、花見や紅葉、地方観光を目当てに、毎月インバウンドは増え続けている。同社は今後インバウンド向けに社内認定の子育てキャリアアドバイザーによる出産や育児のカウンセリングといったコト提案、出産準備品の提案を強化していく。