【ニューヨーク=杉本佳子通信員】ニューヨークのファーストチャーチ・オブ・クライスト・サイエンティストで6日、東日本大震災の追悼式典「トゥギャザー・フォー・3.11」が開催され、昨年の350人を大幅に上回る約430人が参加した。
毎年この時期に開催されている式典で、今年で5回目となる。ファッション関係ではワコールアメリカ、ミキハウスアメリカ、鎌倉シャツニューヨーク、ファンデーションワールド、サトミカワキタジュエリーが企業として協賛した。主催グループのフェローシップ・フォー・ジャパンは震災後にさまざまな支援活動が発生した中で、団体同士が協力し合えばより大きな日本支援ができるという考えの元、リーダーたちが集まってできたグループで、日本FIT会ニューヨーク支部もその一員となっている。
スピーチをしたニューヨーク日系ライオンズクラブの伊藤リキ名誉会長は、震災後にユニオンスクエアで募金活動をしていた時、バスの運転手が手招きするので行ってみたら10ドル寄付してくれたこと、ホームレスがあまりお金ないけどと言いながら1ドルを差し出したこと、9.11で日本は助けてくれたからお返ししたいと寄付してくれた人がいたことなどを話した。
岩手県陸前高田市からスピーチのために来米した酔仙酒造株式会社の金野連社長は、「どんな逆境にいても、一歩一歩進まないとゴールは見えてこない」と語りつつ、「5年経っても嵩上げがすんだだけで復興は進んでいない」と報告した。酔仙酒造は復興への願いを込めて「KIBO」(きぼう)という名の日本酒を14年からアメリカに輸出し、ホールフーズマーケットなどで売られている。
福島県相馬市のみなと保育園の園児たちが「夢に向かってがんばります」という元気な声を動画を通じて伝えると、会場からひときわ大きな拍手が起こった。会場ではチャリティーグッズの販売も行われ、トゥギャザー・フォー・3.11を通じて被災地に送られる寄付総額は5355ドルとなった。(写真も)